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SACRAブログ

分娩場所の選択

2006.07.20役に立つ?情報

86798dc8.JPG最近新聞などで、分娩可能な施設が減少しているとの報道を目にすることが多くなりました。特に山間部などでの影響が深刻なようで、地域によっては分娩施設まで2-3時間もかかることもあるようです。
しかし実は日本のように、分娩可能な施設が多数あって施設を選んで分娩できるのは例外的です。米英など多くの先進国は医療圏に1つの大規模分娩施設を整備するセンター分娩制をとっており、私が滞在した英国ニューカッスル大学、Royal Victoria Infirmaryの分娩センターも、市内だけでなく周辺地域(人口ベースで数十万人)から年間約5000の分娩を受け入れていました。
こういった効率優先のセンター分娩制ではなく、ホスピタリティーあふれる助産院から、最先端の設備とスタッフをそろえた大学病院まで、種々の施設から分娩場所を選択できる日本は、妊婦さんにとって非常に恵まれた環境にあるといえるかも知れません。

だからこそ分娩施設の選択は大事なことだと思います。ホスピタリティーを考えれば一人の助産師が付ききりで分娩介助を行い、母乳・育児を指導する助産院にかなう施設はありません。逆に、母児の緊急事態への対応の懐の深さでは大学病院などの高度医療機関の方に分があります。また自宅から分娩施設までの距離は近いほうが有利です。ただ母児の緊急事態も、「有効な陣痛が来ているのに分娩が進行しない」、「胎児がこれ以上のストレスに耐えられない」などの理由で陣痛が来てから帝王切開が必要となる局面は時に生じますが、一刻を争わなければ母児の生命に関わるようなことは稀です。またほとんどの分娩は、陣痛が来て分娩にいたるまで数時間から十数時間かかるため、分娩施設が自宅のとても近いところにないといけないわけではあません。

SACRAでは事前にお書きいただいたバースプランを出来る限り尊重しながら、母児の安全を第一に考えた分娩管理を行っています。そのため胎児心拍の異常の有無を確認するために分娩監視装置を装着し、分娩時の出血に備えて静脈ルート確保(ブドウ糖の点滴)も行います。また緊急時に備えて大学と連携しながら、私と橋本先生の常勤医師2名で緊急帝王切開などに対応できる体制をとっています。

分娩施設を選ぶのに、何を第一義と考えるかは患者様それぞれ違うと思います。もし「分娩監視装置も静脈ルート確保もいらない、とにかくホスピタリティーあふれる“自然”な分娩をしたい」ということなら、SACRAよりも助産院が最適ということになります。それ以外にも、担当の医師や他のスタッフとの相性なども大事なポイントだと思います。とにかく、ご自身が納得できる施設を選んで分娩されることが一番だと思います。
残念ながら分娩施設の減少傾向は奈良県南部も例外ではなく、SACRAに分娩希望で来られる患者様もさらに増加傾向にあります。最近は産科外来でも待ち時間が長くなる場合が多くなっており、申し訳ありません。今後は診察の質を下げずに無駄を省く努力を行っていきます。
なお分娩場所にSACRAをご検討いただく場合は、早めに受診されることをお勧めします。もし遠方にお住まいでSACRAでの里帰り出産をご希望の場合は、分娩予定日が決まりましたらすぐにお電話でご予約のうえ、できるだけ早期にご来院いただくようお願いします。

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