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SACRAブログ

お産の安全性について

2006.08.10役に立つ?情報

9eec2146.jpg秋篠宮妃の紀子さまが前置胎盤だと言うことは皆さんニュースでご存知のことかと思います。幸い現在のところは非常に順調に経過されており、9月6日に帝王切開によりご出産になられる予定だそうです。

前置胎盤は子宮頚管に胎盤がかかっている状態(イラスト)で、陣痛が来て子宮頚管が開くと大量出血が生じる可能性があります。現代医学の発達により妊娠中の超音波検査(経膣法)で診断ができるようになり、陣痛が来て大量出血をきたす前に帝王切開を行って母児ともに救命することが可能になりましたが、過去には死に至る病でした。また現在でも、癒着胎盤などを合併している場合には帝王切開を行っても危険な状態になることもあります。

          出生10万当たりの妊産婦死亡率
1950年(昭和25年)     176.1
1955年(昭和30年)     178.8
1965年(昭和40年)      87.6
1975年(昭和50年)      28.7
1985年(昭和60年)      15.8
1995年(平成07年)       7.2
2001年(平成13年)       6.5

これは戦後の妊産婦死亡率(出生10万人あたり)の変化です。高度成長期を境に急速に低下しているのが分かります。これは過去に主流であった自宅分娩が減少して病院・診療所での分娩が一般化したこと、医学が発達して前置胎盤などの危険な状態が分娩前にわかるようになったこと、妊婦さんの啓蒙が進んで体重管理などが徹底し、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)などの危険な合併症が減ったことによるところが大きいと考えられます。つまりこの成果は、過去の産婦人科医ならびに助産婦、そして妊婦さんご自身のたゆまぬ努力によって、成し遂げられてきたものなのです。

ただ残念ながら現在もなお0にはなっておらず、分娩にはなお一定の危険が伴います。お産というのは、妊婦さんが命がけで新しい命を作り出す、崇高な作業なのです。

SACRAでは緊急時にそなえて、橋本先生と私の常勤医2名の体制をとっています。
また母児の状態を慎重に評価して、前置胎盤などの症例は分娩前に高度医療機関に紹介しています。さらに分娩時の弛緩出血などの事前の予測が不可能な事態には、場合によっては大学に緊急搬送して高度な医療が受けられるような連携体制を整えています。

「お産は案ずるより産むが安し」というのもまた事実ですが、リスクを認識してそれを最小限にするように妊婦さんとともに努力することが、お産の安全性をより高めるものと私は考えます。
紀子様は9月6日で妊娠37週台とのことですので、現在妊娠33週ごろでしょうか。
お腹のなかの赤ちゃんが男子でも女子でも、順調な経過と安全なご出産を願うばかりです。

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